10,218 STILL ALIVE

(10,220に書いてる。)

今日も歌った!と言いたいけど、歌ってない。

別の場所にいても歌っていいんじゃないかと自分に思う面もあるんだけど、でも、MEM.でもあの風景の中で歌うこと、歌い続けることに何か価値があるんじゃないだろうか。そんなことを思って今は「あの日になれば、歌える!楽しみだ!」と謎の昂揚感を胸に秘めて、今日という日を生きている。

歌い続ける。そうはいうけれど、毎日歌ってこそ「続ける」ってことじゃないのか。なんていう見方もあるかもしれないね。でも、毎日何かをするって言ったって、例えば野球の中継を見るって言ったって、ご飯だって食べるし、風呂だって入るし、寝るよね。見続けてはなくって、見たり見なかったりの連続(破線のようなイメージ=これをぼくは断続性って呼んでるんだけどね)を長い目で見た時に「”続いている”と錯覚している」ということなんじゃないかと思ってる。

だから、数日歌わなかったという事実は「歌い続けていないことの証明」にはならない。ぼくは歌い続けたいと思ってる。歌えない数日があることで、歌える数日が楽しみに思える。これもまた、人の面白いところである。

そんなことを思う10,220から10,218を思い出してみると、

今朝は、ずっと甥っ子と遊んでた。隠れんぼをしたり、鈴を鳴らしたり、物陰に隠れて「いないいないばあ」をしてみたり、お水を飲んでもらったり、おやつを食べてもらったり。一緒になってテレビを見てみたり、お風呂場で水遊びしたり。

そしてふと気づいた。そういえば、なんの考えもなしに「甥っ子みるよ!」と言ったけれど、そういえば

  • おやつどうする!?
  • 水分、どのくらいで飲んでもらってる!?
  • 好きな遊びはどんな!?
  • 嫌がることは何!?
  • お昼ご飯はどうするんだっけ!?
  • あれ、何時に帰ってくる予定だっけ!?
  • 着替えとかあるんだっけ!?
  • 何か気をつけてることあるっけ!?

そういう一つ一つについて「聞いてなかった」と気づいた。むちゃくちゃ初歩的なことなのに「いいよー!」っていう愛一つで受けた。こういうのを「安請け合い」っていうのかなーって思った。みるよー!っていう優しさだったのかもしれないけれど、いろんな「考える必要のあること」を共有地に置かずに当日を迎えてしまったことは、次変えなくちゃいけないことだなーって思った!

そのことを、ぼく自身も確かめたし、こういうことを確かめたよってことも義姉に伝えた。長く続いていく僕たちの暮らしは、こういう一つ一つを確かめ合っていくことの連続で、生まれていると思うから。だから、話し合っておく。ごめんね、だけじゃなくて「お、次からそうしよ!」って話し合える関係でいるってとっても大事。だって、大事なのは、子どもが健康無事に育っていくことだからね。そのための話し合い。そのために思っていることだったら、伝え合っていくってのはポジティブな意味で、とっても良いことだなーって思ってる。

訓練校通うとなると、保育園に預ける選択肢もあるけど、もし難しかった時のために考えておこう。子育て家族応援ってわりに、全然なんもできてないなー。もっともっと母ちゃんたちに教えてもらうことばっかだ!がんばろう。

そんな甥っ子との時間が過ぎて、夕暮れになった。黄昏時である。

ぼくには会わなくちゃいけない人がいた。おじいちゃんの兄弟のチエさん。

あっつい中を訪ねると、クーラーでキンキンに冷えた部屋の中にその人は眠っていた。豪華に飾られて、まるで身に纏うようにして掛けられた着物とともに、眠っていた。眠っている姿をじっと向き合った。胸元で結んで指が動き出しそうで、もう決して解けることがないことがわかった。

眠りにつく顔を見て、ぼくは不謹慎ながら、思ってしまった。

誰かが眠っている顔を見るのは、見られるのは、一体どれだけあるのだろうかーと。眠っている人の顔というのは、それほどに「見ないもの」だ。見ないものが見られるのは、喜ばしいことかもしれない。でも、死に顔は、違う。

となりに眠る人がいる。

今の世の中、いろんな理由をつけて近い人をないがしろにする人も少なくない。でもそれは違う。大切なものがたくさんあるはずなんだ、もっともっと毎日の中に、もっともっと日常の中にある、そう思った。死ぬ前に、死んでしまう前に。見つけてほしい、命がある。

ぼくは今、そのことを確かめるんだと思う。インスタントにではなく、時間をかけて、ゆっくりと、確かめているんだと思う。誰かと比較するようなものではない。ぼくの「道」の上で、必要な問いに、今立っているんだ。

そして、微睡の中、自宅へ戻った。店の片付けをし、部屋の片付けをし、すんと眠りについた。ぼくの寝顔を見る人は、今はここにはいない。それでも少し、安心して、眠った。

今日も素敵な1日をー。