11月1日、いい日だ。

今日は丸坊主だった。これも全部、雨のせいだ。なんて、ちょっと大きなものに責任を押し付けてみると、少し気持ちが楽になったりする。間違っても「何でこねーんだよ!」とか「場所がわるいんだよ!」とか「メニューがわるいんだ!」とか「もっと集客しねーからだ!」とか、そうやって近いところを責めたらいけない。あくまでも、もっともっと大きなもの。こういう時は、自分では変えられない天気とか自然みたいなものの胸を大いに借りるとしよう。

そうかといって、つまらない1日だったか?といえば、僕は首を横にふる。何と愛しく、楽しい1日だったろうかと思う。生きていくって、こういうことだと思えた1日だった。

お客さんが道をゆくのが見えて、でも、入り口の扉はそのまんま。まあ、人は入りたい時に入るよなと思って、久しぶりにクッキーを焼くことにした。同じタイミングで、パートナーも出店用の焼き菓子をつくるというので、僕もやる気が出てきた。やっている人がいると、同じことはやりやすい。勉強する人がたくさんいるスタバに行けば、ノートにペンを走らせたくなるのも、うなづける。スタバめったに行かないけどね。

パートナーは手を変え品を変え、いろんな種類の、いろんな形のクッキーを焼いてた。見てても楽しくて、つくる過程一つみていても、いろんな道具を使っていて、楽しい。えてして僕がつくるクッキーはシンプルな、くるみと無塩バターのクッキーだ。これしか作らない。あれやこれやと作れないのだ。そんなにたくさん気を回せないから、僕はいつもひとつのことだけをする。退屈で、何の発展性のない時間が流れる。淡々と、淡々とつくる。

そういう時間が、雨の中、流れた。

よく「同じことやってても、面白くない。」そんな言葉を聞く。僕は、どうもそうは思わない。同じことの中にある、ちょっとの変化を愉しんでいるんだ。そのちょっとの変化の次、その次としていると、気づけば大変化を起こしてたりする。それは意図せずとも、そうなるのだ。人生とは、そういうものなのだ。

ぼくのお店は今日、丸坊主だった。
それでも愛する人とともに、クッキーを焼き、焼き菓子を焼いた。

時に焦がしてしまったり、生焼けだったりも合った。
それでも持てるだけの時間を使って、それぞれの正解に向かって作り続けた。

そのための買い出しをしたり、パッケージもした。

お客さん来たらいいなと思って、夜営業にも切り替えたけど誰もこなかった。
でもそれでよかったのかもしれない。
今日は、思い通りに行かないことを教えてもらったのだ。

その中で、人生を愉しめよと、示してもらったのだ。
それに真摯に向き合って、為せたのだ。

今日はそんな風な1日だった。
11月1日、いい日だったな。

明日もすてきな1日を🌿