開業初年度の経理で、押さえておくべき5つのこと。

毎日、お金と向き合ってる。毎日、領収書と向き合ってる。毎日、会計処理と向き合ってる。いくらやっても終わらないし、いくらやっても知らないことが出てくる。やっと計算があってきたと思ったら、別の言葉を知って、間違った計算をしてたことに気づいて、全部消して、やり直す。どこかでエラーが出た時に、その一部を改善するのが苦手だ。特にデータの処理をしようというとき、ぼくは、すごく混乱する。だから、はじめっからやり直したくなる。ブログもそう。はじめっからやり直さなくては「これ以上進めない。」とさえ思うし、もはや手が動かなくなる。えーい、またやり直しだ。そうやって何度も何度も、同じ作業を繰り返して、やっとこさできたというところで、また消すのである。

だけど、着実に、成長はしてる。毎回同じことをやるたびに、なんのための作業なのかが分かって取り組めるようになっていることに気づく。着実に、1つ、また1つと学んでいる。分からなくても進んでみるといい。そうすると、分からないことの中に、分かることが出てくる。そしたら、残りのわからないところを探検しよう。そしたらまた、分かることが出てくる。そしたら、残りの、、、と繰り返してゆく。今ぼくは、そういうところにいるから、進んでないように思える作業も、きっと少しの進歩があるのだろう。

そこで、今回は、経理に向き合ってみて「押さえといたほうがいいなー」って思ったことを書いてみようと思う。結構大事だし、最後に書く「悩み」を考えることも、きっと誰かの役に立つ。ブログの書き方がへたっぴだから、読みにくいかもしれないけど、それは許してね。ではどうぞ。

①稼いだ分から、税を納める

ぼくたちには「納税の義務」ってのがあるらしい。でもこの「納税の義務」ってやつ。

学校の先生

国民には、納税の義務があります。

って教えてもらっただけで、

izumikun

あれ。それってどうやって”納税”するの?

実は、教えてもらっちゃいなかった。だからものすごい勢いで学び直しました。

ぼくは喫茶店をしている傍らアルバイトをしてるんだけど、バイト先からの給与明細をみてると「A:総支給額」のほかに「B:差引支給額」ってのが書いてある。通帳を見てみると、実際に会社から振り込まれてるのは「B:差引支給額」っぽい。じゃあ、何が差し引かれてるのかを、よく明細を確認してみると

所得税

この「所得税」の欄に書かれてる金額が、差し引かれてるようだ。所得というのは、ざっくりいうと「僕たちが手に入れたお金のこと」で、所得税というのは「僕たちが手に入れたお金にかかる税のこと」って感じかな。このとき、所得税がかかってくる所得のことを「課税所得(税が課せられる所得)って言います。

僕たちは、生活費や好きなことをするために働いて、お金を得る。この得たお金の所有する分(所得)から、税金を支払う。開業をするってことは、雇用されるってことじゃなくて、個人事業主あるいは法人として生きるってことになるから、自分に入るお金から天引きされることはない。だから計算をして、国に申告しなくちゃいけない。その時、必ずこの「所得税」について考える。

ぼくたちは稼いだ分から、税を納める。
つまり、全部自分のポケットに入るわけじゃないってことをなんとなく知っておくといい。そして問題は、どれだけ納めるのかってこと。そして、納める量を減らせるか方法はないのかな?ってこと。

これを知るためには、まず「所得とは何か」「所得の仕組み」について知る必要がある。

【コラム】明細に書いてあった「所得税」のように、アルバイトや会社員(雇用されている人)は知らず知らずのうちに「納税」してる。これは、雇用されているぼくたちに代わって、雇用主である会社が代わりにまとめて払ってくれてる。そのために、給料から先にもらっとくねーって引いてるのね。これを給与天引っていう。会社員は、所得税のほかに、厚生年金や健康保険料や企業共済金やなんかが先に引かれて(天引きされて)、給料が出てる。この天引きされたものを「手取り」って言ったりするね。納税でいうと、消費税も納税の1つだ。

②理解しよう、所得の仕組み

簡単な式を覚えると便利だ。※主に事業所得の場合

所得 = ①売上ー②売上原価ー③経費ー④控除

  1. 売上:事業で売り上げた額
  2. 売上原価:料理で言えば、原材料にかかった額
  3. 経費:家賃とか機材とか、売上原価以外に事業に必要と判断して使った額
  4. 控除:保険料とか企業共済とか、所得から差し引いていいよって額

具体的に書いてみると

  • 売上:20万円
  • 売上原価:20万*30%=6万円
  • 経費:6万円
  • 控除:国民年金とか健康保険とかあれこれ:3万円

この時の所得(課税所得)は、5万円

ってことになりますね。

すごく基本的な式で、これが分かればほとんどのことが理解できる。ここを起点にして「どんなものが経費として扱えるの?」とか「控除ってどんなものがあるの?」って調べていくと、全体像が少しずつちゃんと分かってくる。

ぼくたちは、ホールケーキをもらった時「ちょっとちょーだい」と言われても、一切れあげてもいいかなと思うかもしれない。でも、ショートケーキをもらった時「ちょっとちょーだい」と言われても「え?」と思うかもしれない。もしかしたら、総支給額から所得税を引いて「差引支給額」をもらう(天引き)ってのは、一人分の給料(ショートケーキ)から「ちょっとちょーだい」というのと似ている気もする。

雇用されている場合、明細に書かれていた「総支給額」ってのが”売上”になって、売上原価はなし。経費もかからない(雇用されてても特別経費ってのが認められてる業種もあるから調べてみてね)。他に控除ってのが引けるんだけど、給料の天引きシステムでは、厚生年金と健康保険と企業共済を差し引いた後の課税所得に対して、所得税を決めて、所得税を差しひいたものを差引支給額として、手取り分をくれる。

でも、できることなら、なるべく手元にお金を残しておきたい。お金を手元に残すために「控除」についてもうちょっと知っておくといい。その時にものすごく重要になってくるのが「確定申告」の方法。これには、白か青かの2種類がある。

③申告の方法は、白か青

確定申告ってのは

「納める税金を計算するために、課税所得を確定させて、国に申告してね。」っていう事務手続きの制度。これには白か青かの2種類があるんだけど、控除額が全然違うっこと!お金をより手元に残したいとか、商売を大きくさせていきたいなら確実に青色申告がおすすめです。

  • 白色申告:基礎控除48万のみ
  • 青色申告:基礎控除48万円+青色申告特別控除65万円

ぼくたちはどんな所得を得ても1年をかけて48万円までの課税所得であれば、課税されることなく生活ができる(基礎控除)。でも、より自分の手元にお金を残していきたいなら、青色申告をして、青色申告特別控除をもらおう。よりたくさんの控除を得て、所得額を減らすことで納税額を小さくすることができるし、手元にたくさん残すことができれば、もしもの時の対策も立てれる。

また、給与所得控除というのもあって、これは年間55万円。年間55万円までの給与所得であれば、無税。でも毎月天引きはされちゃうから、そうやって払いすぎている税金を取り戻す手段として「年末調整」てのがあって、これを逃しちゃったら「確定申告」をすればOK。

ぼくはバイト(給与所得)しながら喫茶店(事業所得)もしているので、控除額としては、

  • 基礎控除 48万円(e-Taxで申請時)
  • 青色申告特別控除65万円(e-Taxで申請時)
  • 給与所得控除55万円

168万円の控除を得ることができている。これに

  • 国民年金保険料控除
  • 健康保険料控除

月に3万だとすると、年間42万の控除になる。さらにもっと貯蓄したいと思ったら、

  • 小規模企業共済等掛金控除(月7万円まで退職金を積み立てられる仕組み/iDecoほか)

結婚してたり扶養があれば

  • 配偶者控除
  • 扶養控除

こんな感じで、控除をどんどん得ていけば、税金をなるべく抑えてお金を手元に残すことができる。これは、ものすごく大事だから、開業する人には、知っておいてほしいこと。

【コラム】ちなみに「ふるさと納税」は「寄附金控除」になります。これは、税額控除といって、課税所得から計算された住民税から直接引かれる控除になります。

例えば、課税所得が20万円で、住民税がだいたい10%くらいなので2万円としましょう。寄附金控除というのは、この2万円から直接的に税額を控除するものです。寄附金控除(ふるさと納税)によって、支払い予定の住民税(2万円)ー2000円までを控除することができます。つまり、2万円分の返礼品をお願いすると、2000円で、2万円分の返礼を受け取ることができるわけです。

先ほどまでは、税が課される所得を減らす話でした。寄附金控除(ふるさと納税)は、支払う予定の税額を直接減らすお話。別段、ふるさと納税にかかわらず特定寄付金というのを支出すると「所得控除」を受けることもできるので、覚えておくといいかもです。どちらにしても決して損するわけじゃなくて、お得に税金を支払えるシステムがこの世界にはあるんですね。

④意外に大事な、開業届

開業届は、出しても出さなくてもいいです。でも、出して仕舞えば結構大事なものだったりします。開業届には、開業日と提出日を書くのですが、提出日が開業日としなくても構いません。婚姻届のように「その日」というわけではないのです。提出する開業届には「届出をする1ヶ月前以内の日にちを書くこと」とぼんやりと規定があります。しかし、実際には、これより前に開業日を設定することもできます。

後に書きますが、この「開業日」というのが重要です。

開業日までには、色々と準備がありますよね。例えば、店舗の内装を整えたり、客席の備品を取り揃えたり、仕入れを起こしたり。じゃあ、これは経費となるのか。

正解は「開業費」となる。なのですねーややこしいですねー。

⑤うまく使おう、開業費

開業費というのは「”特別に”開業にかかった支出のこと」ですね。例えば、改装費とか改装中にかかった家賃や光熱水費とか、打ち合わせの喫茶代とか、交通費とか。そういうものです。※このタイミングで仕入れたもの(売上原価)は、開業費にすることは、できません。

じゃあ、この開業費は「経費」なのかというと、違うんです。経費というのは、その年度内で経費精しなくてはいけませんが、経費の中には「減価償却」といって、何年かにわたって経費扱いしてね(償却していってね)っていうものがあります。例えば、車とか家とか、そういうもの。金額で言うと、10万円以上のものを言います。これは固定資産になり、固定資産は、減価償却をしながら、経費精算していく形になるわけです。

開業費は、まさにそれにあたります。開業費はすべて固定資産となり、減価償却していきます。ここで開業費のすごいところが出てきます。通常、固定資産を減価償却するときは、国税庁が決めている耐用年数(固定資産が、ものとして用いるのに耐えれる年数)ってのを決めていて、その年数で購入費を均等に割って償却していくんですね。でも、開業費に限っては、均等に償却しなくても良いのです。

これによって、利益がたくさんあった年には償却して課税所得を小さくし、利益がない年には焼却せず持っておくことができるわけです。しかも、それに期限はありません。これは、ものすごいことなんですね。これができるのは「開業費」だけ。

もし開業するなら、このこともちゃんと考えて開業できたら、開業後の数年かけて税負担を減らせるので、うまく使えるといいと思います。

【リアルな悩み:”開業日”を間違えちゃいかん/10万円と家事按分のあいだで揺れる。】

と、自分がうまくできていればいいので

すが、完全にエアプレイです汗 ただ、覚えてて損はないので、ぜひ知っておいてください。翻って、ぼくが悩んでいるのは、まさにそのことなのです。

ぼくは、本当にいろんなご縁があって、バタバタと喫茶店営業を始めました。税金のことも、売上と所得の違いも知らないし、経理のこともさっぱりわからぬまま始めてしまいました。だから数ヶ月経った今頃になって1つずつ勉強しているわけなんですけど、勉強を始める前。10月の後半に慌てて開業届を出しました。これが大きな悩みの種になっているのです。

ぼくは、10月後半に開業届を出したのですが。この開業届の「開業日」に提出日をそのまま書いてしまったのです。しかし、ぼくが事業を開始したのは6月のはじめごろ。つまり、6月の初めごろから売上が立っているわけです。

調べてみると、開業日以前の所得はそのまま申告するとありました。しかし、開業日以前の費用を開業費とすると「仕入れは、開業費として認められていない」わけです。でも、売上のための仕入れを、売上原価として扱えないというのは、損以外の何でもないから、はてどうしましょうか。と言うのが悩みなのです。

別の記事では、開業日前の売上については申告してもいいし、売上にかかわる原価は売上原価として計算してもいいってのもありました。だとしたら、これは両立できるのかどうかってのが気になるわけです。

そもそも、開業日を6月の初めごろに書いておけば、こんな悩みは抱えなくてよかったのです。

そしてもう1つ。経費の中には「家事按分(かじあんぶん)」と言う考え方があります。例えば、借りている家が自宅兼事務所として使っているのなら、家の中の「事業として使っている割合」を根拠を持って定めて、その家賃を事業用の割合で按分(あんぶん)して「経費」とすることができるっていう考え方。

でね、僕は10万円で資材を買ったわけです。これは固定資産として台帳に記帳し、減価償却していく必要があるんですが、減価償却すべきは、10万円以上の経費がかかった固定資産に対してです。しかし、この10万円の資材は、プライベートでの利用もするため、家事按分をするんですね。事業:プライベート=8:2だとすると、8万円は事業経費となり、2万円は事業主貸(事業のお金で生活費等を支払う時に使う仕分け)となるわけです。となると、この資材は、固定資産となり、減価償却すべきなのか。一体どうなんだ。と言うことが知りたいわけです。

おわり。

あとね、レシートは取っておこう。あと、クレジットカードの明細は確認しておこう。3万円以上の経費は領収書をもらっておこう。12月にクレジットカードで会計すると、支払いは翌年の1月になるけど、経費として精算できるのは12月が含まれる会計年度だからね。これを発生主義って言うんだけど、取引が発生した日が含まれる会計年度でやってね。そして、1月に支払う分は、元入金として開始残高を設定する必要があるけど、そう言うのは面倒だから、いっそのこと12月中の支払いについては、デビットカードで支払うと、会計年度中に引き落としも終わってわかりやすいから、来年度からはそうしたいよね。

と、色々勉強になりますね。

これが今年分かって、ちゃんと確定申告ができれば、来年はグッと楽に経理ができる。そして何より、こう言うことを、小さな大人たちに伝えたい。お金のことちゃんと考えていこう。

でもね、こう言うことを考えていって僕が学んだのは、世界って難しくてややこしいけど、案外優しいところもあるねってこと。決まった税金とるぞ!ってことは言わないで、あくまで、稼いだところから税金もらうよってのは、すごく優しい。

お店をやってるから、出店料のお話とかよくあって、決まった出店料があるよりも、売上に対して10%が出店料ですって言ってた方がまだ優しいと思う。出店するハードルがグッと下がるし、売上が上がれば、それでいいから。生活も、決まった住民税があるってよりも、所得に対して10%くらいかかるよって感じ。

しかも、それを払うことなく、自分でも貯蓄していいよってプランも「控除」ってかたちで色々用意してくれてる。いろんな地域の食材味わってねって「ふるさと納税」もある。投資の税金も優遇してくれる「iDeco」や「NISA」がある。

本当にやさしい世界だと、経理のことを学んで思う。これはまだ僕が、たくさん稼いでなくて、税金をたくさん払う場所にいないからだと思うけど、むしろ、そういうところにいるようになっても同じことを思うだろう。むしろ、そういうところに、きっと辿り着く。

今この道は、きっとそこに繋がってるから。辿り着くのも、必然さ。ここ2ヶ月くらいで学んできたことをやっとアウトプットできた!ふう、じゃあ次ですね○

そう言うわけで
今日も素敵な1日を🌿