仕事の価値を見失ったら。

どうも、izumikunです。

最近、フリーター珈琲からMEM(メム)と名前を変えました。こちらは、珈琲だけではなくシェアハウスやガイドのお仕事など多岐にわたって活動するizumikunの別人格としてみてもらえればいいのですが、いろんなことをやっていると「何のためにやってるんだっけ」っていうことを見失うことがあります。ひとつのことに使える時間が少なくて、考えるものの濃度が薄くなってしまうからです。

そういう時、izumikunは「そもそもこれって何だっけ」という問いを立てます。例えば、珈琲屋という一面について考えるとき、自分がやっていることがどういうものか?という個人的な思想のことは一旦置いておいて「珈琲屋ってそもそも、どういう仕組みなんだっけ?」っていう問いを立てるということです。

ぼくたちは、どうしても自分で身を立てていると思いがちだけれど、そうではないです。これまでに培われてきたものの上に常に立たせてもらっているわけです。その原点、原理に立ち返ってみると、現在地が見えてくる。

例えば今日、ぼくの友達がコーヒーを飲みにきてくれて「ホテルで仕事をはじめました」という話をしてくれました。その話は、自分が思っていた仕事とはちょっと違って、接客業から離れる選択も考えていると締め括られました。意見を端的にいうと「VIPのわがままに時間を使われるのが嫌」というもの。これについて考えてみる。

本当は、きてくれるお客様一人ひとりに丁寧に接客したい。でも、VIPのわがままに付き合っているうちに時間はすぎ、仕事が終わっていく。本当にしたい接客ができない。こんなはずじゃなかった。こういう仕事は、想像とは違っていた。

ここで、ひとつ疑問が湧いてきます。

izumikunがホテルに泊まるときにホテルスタッフに問い合わせることなんて「wifiのパスワードってどこにありますか?」とか「朝食は何時ですか?」くらいなもので、取り立てて要望を言うことはありません。では、VIPのわがままとは何でしょうか。これはどうやら「グラスを2つおいておいて欲しい」とか「〇〇を予約して欲しい」とか、そう言う細かな要望だそうです。

ホテルスタッフは決まったルームセットを決まった通りに作っていくことができれば良いかもしれないけれど、VIPの客さんはそんなこと関係なく要望を伝えてくる。ホテルスタッフはそれに応えていかなくてはいけない。でも、スタッフ個人としては、それは本望ではない。

では、なぜホテル側は、VIPの「わがまま」に付き合う必要があるのでしょうか。

ここには、ホテルを続けていくための工夫が考えられてるんじゃないかなって思います。そのホテルは、一般的な価格帯としては1泊2万円なんだそうです。は?え?こちとら家賃2万円/月でシェアハウスを開始しようという姿勢なのに、1泊2万円のホテルだなんて….と、聞いたときは驚いたのですが、そのホテルの客層からしたら2万円はまあ払えるかなって感じなのかなと思います。(そういう世界線に生きてる人もいるんですね。)

一方、VIPは1泊8万円も10万円もするそうです。これもまた驚きでしたけど、シンプルにこれだけお金払えば、そりゃあお客さん側も多少のわがまま言いたくなるかもなあと思いました。ただ、これをホテル側から考えるとまた違った見え方があります。

ちょっと寄り道した話ですけど、飲食店って、原価の安いものと原価の高いものを織り混ぜながらお商売をされていることがあるそうです。例えば、回転寿司チェーンとかは、原価の高いマグロを100円で提供するために原価の安いマヨコーンを100円で提供することで、マグロを売ってもプラスになるように設定しているそうです。つまり、安いものは初めから安いわけではなくて、原価を低くして利幅をとった商品を別につくることによって、高いものを安く提供することができるようになっているということです。

今回のVIPと一般室との違いもそうかもしれなくて、一般に2万円で提供できているのは、8万円の部屋をVIPが借りてくれるからであるってことだとしたら。ホテルにとってはVIPに泊まってくれる人がいないと2万円で宿泊してもらえなくなるから、ホテルにとってVIPってめちゃくちゃ大事ってことじゃないですか。だから、大切にしなきゃいけない。お客さんが「こちとら8万円払ってんだからわがまま聞け」ってことじゃなくて、そもそも「どんなことも引き受けます」ってぐらいの姿勢をホテルスタッフがもつことによって、VIPはより快適にホテルで過ごすことができるし、VIPが快適にホテルで過ごせることで利用が増えて、巡り巡って2万円で泊まれる余白がちゃんと作っていけて、結果的にお客さんが増える。そうすると、お客さん一人ひとりへの丁寧な対応ができる機会も増える。

つまり、VIPのわがままに付き合わされていて、お客さんに全然関われていないっていうのは、少し誤解があると思います。むしろVIPと関わって丁寧に接客をして快適に過ごしてもらうことによって、結果的に全体の幸せを作っていくものだから。

そのためには、VIPだけをみていてはいけなくて、ホテルのことだけやれていてもいけない。ホテルの周辺数km以内のお店に足を運んでお店の人と仲良くなっておけば、お客さんに紹介できたりする。VIPだからってみんながみんな高層階の夜景が好きとは限らない。案外、大衆食堂が好きかもしれない。そういう時の引き出しをもっておくには、ホテルスタッフとしてというよりは、個人としてその町との関わりをもち人間味を出してゆくことによって、唯一無二のホテルスタッフになれる。VIPにあったその街の形が見えるようになる。そういう提案が予想を超える未来を運んできたりするものですから。

またそれが巡り巡って一般部屋に泊まる人たちへの案内にもつながってくる。

仕事の価値を見失ったら、ひとつは「その事業を続けていくための工夫って何だろう」って考えてみるのがいいと思います。もう一つは「そこで関わる人が嬉しいと思うことって何だろう」って考えながら動くということ。こんなことが何になるんだ。って思うかもしれないけれど「こんなこと」がこれまでを作ってきたのなら、きっと意味があるのかもしれない。今回の場合は、VIPがホテルを下支えしてくれているからより丁寧で特別な接客をする必要がある、という仮説がそれに当たります。

仕事の価値を見失ったら、そんなことを考えます。

izumikunもやることたくさんなので見失うことを前提に、見失った時の処方箋をここにのして、今日は眠ろうと思います〜。
ではまたね。