ブラウンズフィールド「収穫祭」に行ってきました◎

いずみです。

いずみ古民家暮らし / DIY / 畑 / ブログ】

お仕事:MEM.喫茶Tokoname店主
急須を使って淹れる珈琲と菜食のごはんを提供しています。

時々、陶芸家、大工、藍染職人、お菓子屋さんのアシスタントもします。

ボランティアとして「家弁タイムズ」という子育てファミリーに(基本、無料で)お弁当を届ける活動や、子どもも大人も隔てなく対話する時間「ダイアローグ」の運営をしたりしています。


薪をくべて米を炊く暮らし

そういう暮らしがブラウンズフィールドにはあった。常滑での暮らしには、まだそれはない。コンクリートブロックを6つほど積み重ねて、その上に米を炊く羽釜を置く。ブロックでできた壁の内側に木をくべて火を炊く。これで「とりあえず」はできそうだ。しかして、舞がない。いやはや、薪は近くの工務店さんからいただいてこよう。おやおや、なんだかできそうな気がしてきたぞ。あとは「火を焚いていい場所」がほしいな。畑は…難しいか。家は…どうだろうか。うーん、一筋縄にはいかないか。


はじめてのブラウンズフィールド

今年-2023-の7月8月で、アリーが2ヶ月間過ごした「ブラウンズフィールド」に行ってきました◎

ブラウンズフィールドは、マクロビオティック料理本もだしている中島デコさんが運営している、自然とともに暮らす人たちの生活拠点。

敷地内には、広い森や田畑、生活の場である母屋、お客さんがゆっくりできる憩いのカフェスペース、大きな広間にブランコがあり、のびのびと過ごすことができる。

カフェスペースでは、お野菜のもつ味わいを活かしたランチプレートをいただくことができる。ライステラスカフェと名付けられたその場所では、ブラウンズフィールド内で収穫した、米や野菜でもって調理したものを味わうことができる。

また、その名の通りに広く明るいテラスデッキもあり、デコさんがバリにいた頃に出会った木彫りのテーブルが、その豊かさによりいっそう彩りを加えている。

では、このフィールドをだれがやっているのか。とうてい1人ではできっこない。(MEM.というたった3テーブルしかない喫茶をしながら、そこからたった徒歩1分の畑をするだけでも、手が足りてないほどなのに。)

ブラウンズフィールドでは、デコさんだけではなく、15人ほどのスタッフが暮らしており、ブラウンズフィールドの農や自然や、スタッフみんなの生活を協力して守っている。

スタッフは、主に3つほどのチームに分かれる。

一つは農スタッフ。自然農の田んぼや野菜を育てている。もう一つは、カフェスタッフ。アリーはここで2ヶ月間を過ごして、来てくれたお客さんにランチプレートを提供していました。そして3つ目は、母家(おもや)スタッフ。農スタッフやカフェスタッフが動いている間に、みんなが過ごすための生活の場を管理している。母家では、ご飯をつくったり、洗濯をしたり。家事全般を担う。でもぼくは、ここが一番面白いと思った。

母家スタッフは、生活の中で出てくる「ゴミのこと」も考えなくちゃいけないから。一番みんなを支え、一番「生活の汚いところ」を見る場所だと思う。だからこそ、生活から出る「排水のこと」「生ごみのこと」「火を炊くこと」を考える。生ごみの中でも、ヤギにあげられるものと、そうでないものに分け、そうでないものはコンポスト(堆肥)に変わるように、集めておく。

これらが見えないスタッフ(微生物)たちによって分解されて、また土に還る。実際に森を歩いてみて、再認識した。「畑に森を作る」このイメージでぼくは、畑をやりたいんだなと。

広い森の中には、岡本よりたかさんが講師としてワークショップをした畑もあった。これは、スパイラルガーデンと言って、放射状に畝をつくり、作物を育てていくデザインとなっている。水の流れ、風の流れにとっても、とても良いデザインなのだという。その辺りの感覚はあまり実感を伴わなかったけれど「面白い」と思った。中心があって、そこから広がるように作物が実っていく。このデザインとか景観そのものが、面白い。この周りを歩く人をも、楽しませるようなものを感じた。

今のMEM.の近くの畑のことを思った。ただ作物を植えるだけよりも、みた感じが面白くて楽しいものを作れたら、道ゆく人も楽しいし、みんなハッピーじゃないかなと思ったんです。さて、玉ねぎを植える位置を間違えたかしら。笑

ブラウンズフィールド収穫祭は、年に2度ある祭りのうちの一つ。スタッフは短期スタッフ(1ヶ月〜3ヶ月)と長期スタッフ(2年)に分かれるが、期間が終われば卒業することになる。年に2度の収穫祭では、そうした卒業したスタッフたちも集まり、大賑わいとなる。

ぼくも、卒業生であるアリーと共に行ってきた。

ブラウンズフィールドで学んだこと

学んだこと=自分の暮らしに取り入れたいこと。

6つあるので、箇条書きしてみます。

  1. スパイラルガーデン(場としての畑)
  2. 畑に森を作る(水と循環)
  3. 稲藁で畝を被覆する(保護と視覚)
  4. かっこいい佇まい(統一感とこだわり)
  5. 彫刻と装飾(豊かな時間)
  6. 対話と瞑想(”環境”に映る、自分と向き合うこと)

この6つです。

自分がやっていくべきことが、具体的に見えた感覚ですので、これをちょっと言語化してこの記事は終わります。

スパイラルガーデン(場としての畑)

アリーが立っている奥に円錐型のモニュメントがありますが、これを中心として放射状に畝が周りを囲むようにデザインされた「スパイラルガーデン」です。

自分の畑のことを考えた時に「どこに何を植えようか」ということだけを考えていたことに気づきました。その場所に自分が立った時に「自分が何を感じるか」「どうありたいか」を考えてきていなかったということ。

このスパイラルガーデンに立った時に「場」を感じました。日々、人が集っているんだろうなと感じたんです。イッシーさんと一緒に植えた玉ねぎ。玉ねぎがうわっていることだけを望んでいるんじゃなくって、その玉ねぎを収穫する時に人が集まり、集まった人が楽しめるような、そんな「空間」をつくりたい。

そんなことを感じました。もっと平面ではなく、立体的に作りたい。

そんな風に感じました。

畑に森を作る(水と循環)

ブラウンズフィールドの森を歩いていると、木々の生えるその地面にはどこもかしこも枯れ草が積み重なって、ここから生まれたすべては、その土地に還って行っているのだと感じました。

母家スタッフやカフェスタッフが調理をするお野菜たちから出たものの一部もまた、土に還っています。コンポストを作る場所が決まっていて、ヤギにあげる以外のものは全てここに集約され、また土に還る。

こうしたことが自然な形でできるのは、ぼくは「湿度」が関わっているんじゃないかと思いました。森の中の地面はいつも湿っていました。そこは、僕たちがやっている畑に重なっている枯れ草の乾いた感じとは、ずいぶん違うのです。

水は停滞すると腐りますが、この「湿気」が鍵になっているんじゃないかと思うわけです。枯れ草や食べ物のカスを腐敗させて、堆肥化させる。腐敗するのに、この湿気が非常に有効なわけです。だからこそ、一般的に畑では、木の枠を組んで、その中に枯れ草を積み重ねて、その下層に森を再現して、腐敗させ、土に還すのではないかと思うわけです。

じゃあなんで森に畑がないのかというと、それは「陽の光が弱いから」ではないかと思います。陽の光があり、かつ湿度(水)がある。その点で、ブラウンズフィールドの畑はとても良いのかもしれません。

だからこそ、畑に森を作ること。これが大事な原理原則なんだと、思います。

稲藁で畝を被覆する(保護と視覚)

MEM.の畑は、不耕起栽培・無農薬・無施肥で作物が生まれる場所にしたい。そのためにはじめたものですが、まだ初年度、土が出来上がっていません。少なくとも3年はかかります。3年かかってやっとです。でも今は、まだ雑草たちの力が強いので、植えたものが負けてしまわないように、植えたものの周りを被覆しておけば、影ができて雑草が生えてくる可能性が低くなる。かつ、湿気が溜まり、少しずつ稲藁は土に触れたところから腐敗し、また土に還っていく。

視覚的にも、植えたものの位置がわかりやすいので、これはとても良いデザインだと思いました。

かっこいい佇まい(統一感とこだわり)

この珈琲屋さんがむっちゃかっこよかった。全てヴィンテージ調に統一していて、一言「美しい」という印象。使っているもの、カップ、ビン、すべてが美しい。こういうサイズのものが欲しいというよりも、これかっこいいから使う、という感じで心が伝わってきます。

三河土をつかって作られた陶器カップをサーバーとして使われていて、抽出方法は、金網ドリッパーにネルを合わせるタイプ。濃い目に抽出して、湯で伸ばすかたちなので、「三河」というキーワードからも、松屋式にヒントを得ているんじゃないかなと推測。

南インドのバイオダイナミック農法を取り入れた珈琲農家の豆を自家焙煎しているとのこと。

自家焙煎は、これムッチャクチャ難しいと思うのだけれど、七輪に炭火で熱源を作って、かつ手回しの焙煎。「安定しないですよね?すごいですね!」とお伝えしたら「簡単なことしても、面白くないですからね。」と、もう絵に描いたような珈琲屋さんで、かっこいいなあと思いました。

長野で実店舗も準備しているとのこと。ぜひ、珈琲好きな友達と行ければいいなあと思っています。それにしても、提供までに10分以上かかっていたなあ。うちの珈琲、まあまあ時間かかっているって思っていたけれど、落ち着いて提供すれば何も問題ないんだなあと、そういう意味でも一つの確信を得ました。

この珈琲かどうかは解りませんが「こういうコーヒーもあるんだあー」と、参考まで。

彫刻と装飾(豊かな時間)

いやあ、美しい。もう言葉にしなくても、十分ですね。

対話と瞑想(”環境”に映る、自分と向き合うこと)

イベントが始まると同時に「餅つき」があるからってことで、餅米を薪で炊いていました。みんな8時くらいに集まって準備をする傍ら、僕は寒くて寒くて、縁側でブランケットにくるまってみんなの様子を眺めていました。

縁側に近いところで薪を炊いていたので、その様子を見ていると「広葉樹の方が、燃えにくいけど、長く燃えるから薪に向いてる」ということを言いながら、火をくべているスタッフがいました。それから交代で別の人になってから、その人は薪を割るのが初めてだったみたいで、他のスタッフに薪の割り方を教わってから、その担当になっていました。その様子を見て、ぼちぼちと過ごしているうちに、僕は体があったまってきたので、外に出てみることに。

結局寒くって火の近くにいると「薪割りますか?」と言われたので「お、やりたいです。」と薪割りに参加しました。薪割りをしながら、自然とお話が始まりました。お話によると、まだまだ来たばかりのスタッフさんということで「おやおや、仕事を奪ってはいけない。」と、薪割りの仕事をお返しして、引き続きお話。

そうこうしているうちに、どうやら会場を回るというので、どうしてだか、僕が釜場の面倒をみることに。スタッフでもないけれど、こういう役回りは嫌いじゃない。むしろ暖かいからちょうどいいかと思って、火のばんをしていました。

すると、やってきたのはカミーという女性。その後には、隕石の周波数で染めているふんどしを販売したりミキという食べ物を作って歩いているという女性が現れて、ゆっくりとお話をしていきました。

二人に話したのは、あんまり長く話してもしょうがないので、ざっくり(とてもわかりにくいけど)いうと、

  • 神様は影に宿っているよ(=カミー)
  • 軸は振れでもいいんじゃないかな(=ミキの女性)

という話をしました。

すると「なんか、安心した。」「すごい、ありがとう。」と、何かを受け取ってくれたようでした。

僕はただそこにいただけなんだけれども、その人にとって僕は「環境」となって、その人を映した。その人にとっては、僕に話をしているようで、その人自身との対話をしていたんだろうなと思います。

ぼくがコンサルを始めようと思ったのは、こういう経験が増えてきたから。きっと何かお渡しできるものがあるんじゃないかと思っています。二人にも届いたものがあったみたいでよかった。

多分、これはいずみの役目なんだろうね。話したいという人は、ぜひ気軽に連絡してね。

おわりに:

以上、いずみでした。

それではみなさま
今日も素敵な1日をー。